「プログラミングを習わせたいけれど、うちの子はまだキーボードが打てない」
「先にタイピングを覚えさせたほうがいいのだろうか」
そう考えている方は多いと思います。
実際、プログラミング教室に通えばタイピングもできるようになると期待されている保護者の方も、一定数いらっしゃいます。
この記事では、タイピングの練習をいつ始めればいいのかについてお伝えします。
先に結論を書くと、急ぐ必要はありません。
ただし「一生いらない」という話でもないので、そこも正直に整理します。
結論:プログラミングを始めるのに、タイピングは要りません
まず、いちばん多い誤解から解いておきます。
タイピングができないことは、プログラミングを始められない理由になりません。
最初に使うのは、ブロックを並べる教材です
子どもが最初に触るのは、Scratch(スクラッチ)という教材です。
ここでやるのは、カラフルなブロックをパズルのように並べること。
「10歩動かす」と書かれたブロックをつなげれば、キャラクターがそのとおりに動きます。
マウスやタッチ操作ができれば、それだけで進みます。
英語を打ち込む必要はありません。
AIへの質問も、音声でできます
もうひとつ、当教室での実際をお伝えします。
当教室では、分からないことをAIに聞く場面を授業の中に設けています。
ここでも文字を打つ必要はありません。
入力欄の横にあるマイクのボタンを押せば、話した言葉がそのまま文字になります。
「キャラクターをジャンプさせたいんだけど、どうすればいい?」と口で言えば、それが質問になります。
実際、当教室の生徒はほとんどがまだ打てません。それでもAIを使いこなしています。
打てる子と打てない子で、進み方に差は出ません
そして、これがいちばんお伝えしたいことです。
タイピングができるかどうかで、Scratchの進み方に差は出ません。
当教室で見ている限り、打てる子が速く進むということはありません。
進み方を分けているのは、別の要素です。
ただし「まったく打たない」わけでもありません
正直に書くと、Scratchでも文字を打つ場面はあります。
名前をつけるとき、少しだけ打ちます
たとえば、こういう場面です。
- 変数(得点などを記録する入れ物)を作って、名前をつけるとき
- メッセージ(合図を送る仕組み)に、名前をつけるとき
「とくてん」「ゲームオーバー」といった短い言葉を入力します。
とはいえ、この程度です。文章を打つわけでも、英語を打つわけでもありません。
指一本で探して打っても、まったく問題ない量です。

この「少しだけ打つ場面」が、自然な入口になります
そして、ここが重要なところです。
タイピングの練習は、この段階から少しずつ始まります。
「明日からタイピングの練習をしなさい」ではなく、作りたいものを作る過程で、打つ必要が出てくる。
だから打つ。この順番のほうが、自然に身につきます。
「一生いらない」わけではありません
念のため、こちらも書いておきます。タイピングは、いずれ必要になります。
- 学校のGIGA端末を使う場面が、すでにあります
- 調べ学習やレポートでは、文字を打ちます
- 文字で書く言語(Pythonなど)に進めば、当然必要です
つまりこの記事の主張は「タイピングは要らない」ではありません。
プログラミングを始めるのに、先にタイピングを覚える必要はない
順番の話をしています。
先に覚えさせようとすると、何が起きるか
では、なぜ「先に」がおすすめできないのか。
タイピング練習は、それ自体が単調です
タイピングの練習は、反復です。同じキーを何度も押して、指の位置を覚える。
大人であれば「必要だから」と我慢できますが、子どもには目的が見えません。
なぜこれをやっているのか分からないまま、単調な作業を続けることになります。
「パソコンはつまらない」が最初の記憶になります
そしてここが問題です。
プログラミングに触れる前にタイピング練習から入ると、「パソコンでやること=つまらない反復」という印象が最初につきます。
その状態で「じゃあ次はプログラミングを」と言われても、すでに気持ちが下がっています。
順番が逆だと、入口で失敗します。
「使う場面ができてから」のほうが、結果的に早いです
一方、作りたいものがある状態で打つ必要が出てくれば、打つ理由がはっきりしています。
「この変数に名前をつけたい」「このメッセージに名前をつけたい」——目的が先にあると、練習が作業ではなくなります。
教室では、どうしているか
当教室での扱いもお伝えしておきます。
タイピングの教材は、用意しています
「タイピングは一切やりません」という方針ではありません。
当教室ではタイピングランドという教材を用意しており、練習できるようにしています。
最終的には打てるようになってほしいと考えていますし、「プログラミング教室に通えばタイピングもできるようになる」と期待されている保護者の方がいることも承知しています。
ただし、入口には置いていません
用意はしていますが、そこから始めることはしません。
まずは猫を歩かせるところから始めて、AIを使って動きを足して、作りたいものを作る。
その過程で打つ場面が出てきたときに、必要に応じて練習する。この順番にしています。
どのくらいで打てるようになるかは、まだ言えません
正直にお伝えすると、当教室にはまだ文字入力を使う言語(Python)まで進んだ生徒がいません。
そのため「〇年でタイピングができるようになります」とはお約束できません。
練習の環境は用意していますが、実績として示せる段階ではないとお伝えしておきます。
家庭でできること
練習させるより、打つ機会をつくる
練習の時間を作るより、打つ理由がある場面を作るほうが効きます。
- 家族のグループに、メッセージを打って送ってもらう
- 検索したいことがあるとき、自分で打たせてみる
- 好きなゲームやアニメの名前を、打って調べてもらう
打ちたい内容があるかどうかが、続くかどうかを分けます。
ホームポジションに、こだわりすぎない
正しい指使い(ホームポジション)を最初から守らせようとすると、そこで挫折します。
まずは指一本でも構いません。
打つこと自体に慣れて、「もっと速く打ちたい」と思ったときに正しい指使いを覚えれば、そこから伸びます。
順番は、ここでも同じです。目的が先、技術が後です。
焦らなくて大丈夫です
小学生のうちに完璧に打てる必要はありません。
必要になったときに練習すれば、十分に間に合います。
もしお子さんが「打ちたい」と言い出したら、そのときが始めどきです。
よくある質問
Q. 何歳からタイピングの練習を始めるべきですか?
年齢では決まりません。
打つ必要が出てきたときが始めどきです。
プログラミングであれば、ブロックに名前をつける場面が最初のきっかけになります。
Q. タイピングができないと、プログラミング教室についていけませんか?
問題ありません。
当教室の生徒もほとんどが打てない状態から始めていますし、打てるかどうかでScratchの進み方に差は出ません。
Q. タイピングゲームで練習させるのはどうですか?
打つ理由ができている子には有効です。
ただし、まだ興味がない段階で始めると、単調な作業として受け取られます。
「打ちたい」が先にあるかどうかを見てみてください。
Q. ローマ字を習っていなくても大丈夫ですか?
ひらがな入力から始めることもできます。
ただしローマ字入力のほうが将来的には主流なので、ローマ字を学校で習ってからのほうがスムーズな場合もあります。
ここも急ぐ必要はありません。
Q. タブレットだとタイピングの練習になりませんか?
画面上のキーボードでも、文字を打つこと自体には慣れられます。
ただし指使いを覚える段階では、物理キーボードがあったほうが進みます。
必要になったときに用意すれば十分です。
Q. プログラミング教室に通えば、タイピングもできるようになりますか?
教室によります。
当教室では練習教材を用意していますが、タイピングを主目的にした教室ではありません。
タイピングそのものを重視するなら、専門の教室や教材を検討したほうが確実です。
まとめ
プログラミングを始めるのに、タイピングは要りません。
- 最初に使うのはブロックを並べる教材
- AIへの質問も音声入力でできる
- 打てる子と打てない子で、進み方に差は出ない
ただし「まったく打たない」わけでもありません。
変数やメッセージに名前をつけるとき、短い言葉を打ちます。
そしてこの場面が、タイピングの自然な入口になります。
そして「一生いらない」わけでもありません。
学校でも、調べ学習でも、文字で書く言語に進むときにも必要になります。
つまりこの記事の主張は、順番の話です。
先に覚えさせようとすると、「パソコン=つまらない反復」という印象が最初につきます。 作りたいものがあって、打つ必要が出てから始めるほうが、結果的に早くなります。
家庭でできることも、練習させることではありません。打ちたい内容がある場面をつくることです。
焦らなくて大丈夫です。
必要になったときに始めれば、十分に間に合います。
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タイピングができない状態から始められます。
実際、生徒のほとんどがそうです。
- 最初は猫を歩かせるところから — マウスやタッチ操作ができれば大丈夫です
- AIへの質問は音声入力で — 打てなくても、聞きたいことが聞けます
- タイピング教材も用意しています — 必要になった段階で練習できます
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