プログラミングが活かせる仕事|IT職以外の使い道と、正直な注意点

将来プログラミングが活かせる仕事をイメージした画像

「プログラミングを習わせたら、将来どんな仕事につながるんだろう」

そう考えたとき、思い浮かぶのはエンジニアやプログラマーだと思います。

ですが実際には、そちらのほうが少数派です。

プログラミングが役に立っている職業は、IT業界の外側に大きく広がっています。
この記事では、具体的にどの職業で、どう使われているのかをご紹介します。

そして最後に、正直な注意点も書きます。
「プログラミングができれば安心」とは言えない事情があるためです。

仕事は、大きく2種類に分かれます

プログラミングと仕事の関係を整理すると、こうなります。

種類例
①プログラミングそのものが仕事エンジニア、プログラマーなど
②プログラミングが分かると強くなる仕事研究者、建築士、企画職など

そして人数が多いのは、圧倒的に②です。

多くの方が①だけを思い浮かべますが、実際に恩恵を受けている人の大半は②に属しています。
順に見ていきます。

① プログラミングそのものが仕事になる職業

まずは、イメージしやすいほうから。

  • プログラマー … ソフトウェアやアプリを作る
  • システムエンジニア … 仕組み全体を設計する
  • AIエンジニア … 機械学習の仕組みを組み立てる
  • Webエンジニア/デザイナー … サイトやサービスを作る
  • データサイエンティスト … データを分析して判断材料をつくる

これらはプログラミングが仕事の中心にある職業です。

ただし、この道を目指すかどうかを今決める必要はありません。
そして後述しますが、この領域はいま大きく変化しています。

② プログラミングが分かると強くなる職業

ここが本題です。

「コードを書くのが仕事ではないけれど、分かっていると明確に有利」という職業を挙げていきます。

研究者・医師

研究の世界では、データを扱えるかどうかで進み方が変わります。

集めたデータを整理し、傾向を調べ、グラフにする。
この作業を手でやるか、自動化するかで、扱えるデータの量が桁違いになります。

医療の分野でも、画像から病気の兆候を見つける仕組みや、リスクを予測する仕組みが使われるようになりました。
作る側でなくても、何ができて何ができないかを理解している人のほうが、道具を使いこなせます。

建築士・デザイナー

設計の分野では、条件を入れると複数の案を自動で出すという手法が使われています。

デザインでも同じです。
手を動かす部分は道具が担うようになり、何を作るかを決める部分が仕事の中心になってきました。

仕組みが分かっていると、道具に使われずに済みます。

ゲーム・映像クリエイター

これは分かりやすい例です。
ゲームも映像も、制作の土台がプログラムでできています。

絵を描く人でも、動きを付ける段階で仕組みに触れます。
「こういう動きをさせたい」を実現できるかどうかは、仕組みへの理解に左右されます。

起業家・企画職

アイデアを素早く形にできるかどうかが、決定的に効く領域です。

思いついたものを人に説明するとき、資料で説明するのと、
実際に動くものを見せるのとでは伝わり方がまったく違います。
簡単なものでも自分で作れる人は、確認の速度が違います。

また、外部に開発を依頼する場面でも、技術のことが分かる人が発注するかどうかで、費用も期間も変わってきます。

事務・バックオフィスの職種

いちばん身近で、いちばん見落とされているのがここです。

同じ表計算ソフトを使っていても、手作業を延々と繰り返す人と、処理を自動化してしまう人がいます。

毎月30分かかっていた集計が、仕組みを作れば1分で終わる。
この差を生んでいるのが、プログラミング的な考え方です。

派手さはありませんが、こうした人は確実に重宝されます。

業界で見ると、さらに広がります

職業だけでなく、業界の側から見ても同じことが言えます。

業界どう使われているか
医療検査データの分析、診断の補助
農業センサーやドローンで作物の状態を把握する
教育学習履歴をもとに教材を出し分ける
金融取引データの分析、リスクの評価
製造機械の稼働データから異常を早く見つける
物流配送ルートの最適化、在庫の管理
小売売れ方のデータから仕入れを判断する

どれも「デジタル技術を作る仕事」ではありません。
ですが、仕組みを理解している人のほうが、現場で使いこなせます。

「IT業界に進むかどうか」ではなく、「どの業界に進んでも関わる」というのが、現在の状況に近いと思います。

【正直に】プログラミングが書ける、だけでは足りません

ここは書いておきたい部分です。
「プログラミングができれば将来安心」とは言えません。

コードを書く作業は、AIが担う範囲が広がっています

これは実際に起きている変化です。
コードを書くという作業そのものは、AIが手伝える範囲が急速に広がりました。

つまり「プログラミングが書ける」という理由だけで価値が出る時代は、すでに終わりに向かっています。

だから「何を作るか決められる」ほうが重要になります

では何が残るのか。

  • 何を作るべきかを決める
  • できたものが妥当かを判断する
  • 目的に合わせて手順を組み立てる

どれも、コードを書く手前にある仕事です。
そしてこれらは、プログラミングを学ぶ過程で身につく部分でもあります。

だから当サイトでは、プログラミングを「スキル」ではなく「考え方の練習」として扱っています。
コードを書く技術そのものより、その手前で必要になる判断のほうが、長く使えます。

この点については 将来なくならない仕事とは?予測より大切な「乗り換えられる力」 で詳しくお話ししています。

職業が消えるのではなく、中身が変わります

もう一つ補足すると、エンジニアという職業がなくなるという話ではありません。

同じ職業名のまま、やることが入れ替わっていく——という変化です。
手を動かす部分が減り、判断する部分が増える。
②に挙げた職業で起きていることと、実は同じ構造です。

いま、職業を決める必要はありません

ここまで職業を並べてきましたが、小学生や中学生の段階で決める必要はまったくありません。

むしろ早く決めすぎると、中身が変わったときに動きにくくなります。

いま有効なのは、好きなものに熱中する経験を増やすことです。
ゲームが好き、絵を描くのが好き、調べものが好き——どんな「好き」も出発点になります。

そしてプログラミングは、その「好き」と組み合わせやすいという特徴があります。
絵が好きなら動かせる。音楽が好きなら鳴らせる。組み合わせた経験そのものが、後から効いてきます。

よくある質問

Q. 子どもがエンジニアになりたいと言っています

良いことだと思います。
ただ「なりたい」を早く固めすぎる必要はありません
*作りたいものを増やしていくうちに、方向は自然に決まっていきます。

Q. IT系に進まないなら、習っても無駄ですか?

無駄になりません。
この記事で挙げたとおり、プログラミングが分かると強くなる職業のほうが数が多いです。
加えて、高校の「情報Ⅰ」は全員が学ぶ科目で、大学入学共通テストの出題教科にもなっています。
詳しくは 子どものプログラミングはなぜ必要?必修化から大学入試までつながっている理由 をご覧ください。

Q. 文系に進む場合はどうでしょうか?

文系の職業でも、データを扱う場面は増えています。
企画、マーケティング、編集、経営——どれも数字を読んで判断する部分があります。
仕組みが分かっていることは不利になりません。

Q. 女の子でも、こうした仕事に就けますか?

もちろんです。
プログラミングに性別による向き不向きはありません。
挙げた職業のいずれも、性別を問わず活躍している分野です。

Q. どの言語を学べば、仕事につながりますか?

小学生の段階では、言語の選択は仕事に直結しません。技術は入れ替わるためです。
まずはブロック型の教材で考え方に慣れるほうが確実です。
詳しくは 子どものプログラミング言語の選び方|迷ったらScratchでいい理由 をご覧ください。

Q. AIがコードを書くなら、もう学ぶ意味はないのでは?

コードを書く技術としてだけ捉えるなら、価値は下がっています。
ですがAIに何を作らせるかを決めるには、仕組みの理解が必要です。
使う側に立つための土台として、意味は残ります。

Q. どのくらいのレベルまでやれば仕事に使えますか?

②の職業であれば、プロのエンジニア水準は必要ありません。
「何ができて何ができないか分かる」「簡単なものは自分で作れる」あたりで、十分に差が出ます。

まとめ

プログラミングが活かせる仕事は、2種類に分かれます。

  1. プログラミングそのものが仕事 … エンジニア、プログラマーなど
  2. プログラミングが分かると強くなる仕事 … 研究者、建築士、クリエイター、起業家、企画職、事務職など

そして人数が多いのは②のほうです。
研究でデータを扱う、設計で自動化を使う、アイデアを動く形で見せる、毎月の集計を自動化する——コードを書くことが仕事の中心でなくても、理解している人のほうが道具を使いこなせます。

業界で見ても、医療・農業・教育・金融・製造・物流・小売と、どこに進んでも関わります。

ただし正直に言うと、「プログラミングが書ける」だけでは足りません。
コードを書く作業はAIが担う範囲が広がっているためです。

残るのは、その手前の部分です。

何を作るべきか決める。できたものが妥当か判断する。目的に合わせて手順を組み立てる。

だからこそ、スキルとしてではなく考え方の練習として捉えるほうが実際的だと考えています。

そして小中学生の段階で、職業を決める必要はありません。
好きなものと組み合わせる経験を増やしておくことが、いちばん確実な準備になります。

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