子どもにプログラミングは向いてる?よくある5つの心配を検証

子どもに向いてることと不向きなことはあるのか?を表す画像

「うちの子、プログラミングに向いているでしょうか」

始めさせるかどうか迷っているとき、多くの方が最初に考えることだと思います。

そして多くの場合、「向いていないかもしれない」と思う具体的な理由があります。
算数が苦手だから。集中力が続かないから。ゲームばかりしているから——。

この記事では、そのひとつひとつを検証します。
一般論で「誰にでも向いています」と言うつもりはありません。
当てはまるものがあれば、そこだけ読んでいただいてもかまいません。

先に結論をお伝えすると、向き不向きは、ほとんどありません。その理由から説明します。

結論:向き不向きは、ほとんどありません

必要な資質は、思っているより少ない

プログラミングを始めるのに必要なものを挙げると、実はこれだけです。

  • マウスやタッチ操作ができる
  • ひらがなが読める

これだけです。
理系の素質も、論理的な思考力も、集中力も、始める条件には入っていません。

というより、それらは始める前に持っているべきものではなく、やっているうちに育つものです。
順番が逆になっている、というのが実際のところだと思います。

「この子は向いていない」と感じたことがありません

当教室はまだ生徒数が多くありませんが、その範囲でお伝えすると、「この子は向いていないな」と感じたことは一度もありません。

進み方の速さは、もちろん子どもによって違います。
すぐに夢中になる子もいれば、しばらく様子をうかがう子もいます。

ですが、それは速度の違いであって、向き不向きの違いではありません。

「向いていないのでは」を、ひとつずつ見ていく

プログラミングが向いていないと心配されやすい5つの点(算数が苦手・集中力が続かない・ゲームばかり・引っ込み思案・飽きっぽい)と、それぞれの実際のところを対応させた図

ここからは、心配されやすい5つの点を順番に検証します。

① 算数や理科が苦手だから

最初の段階では、ほとんど関係ありません。

Scratchで使う数字は「10歩動かす」「15度回す」といった程度です。
計算をするわけではなく、数字を入れて動きを確かめるだけです。

ただし正直に書くと、進んでいくと数字を扱う場面は増えます。
キャラクターの位置を座標で指定したり、得点を計算したりする場面が出てきます。

とはいえ、そこで求められるのは計算の速さや正確さではありません。
「この数字を大きくしたらどうなるか」を試して確かめる作業です。テストとは性質がまったく違います。

算数が苦手なことが理由で止まる、という場面はほぼありません。

② 集中力が続かないから

これは、むしろ相性が良いと考えています。

プログラミングは、結果がすぐ返ってくる学びです。
ブロックを1つ変えて実行すれば、その場で動きが変わります。
数か月かけて成果が出るタイプの習い事とは、時間の流れがまったく違います。

長時間じっと座っていられるかどうかより、短いサイクルを何度も回せるかのほうが重要です。
そして「試して、動かして、また試す」という繰り返しは、集中が続かないタイプの子にとって、むしろ取り組みやすい形です。

もちろん、それでも合わないことはあります。
ただ、「集中力がないから無理」という理由で候補から外す必要はありません。

③ ゲームばかりしているから

これは、心配というより入口になります。

ゲームが好きということは、そのジャンルに強い興味があるということです。
そして「遊ぶ側」から「作る側」に回れるとわかったとき、興味の向く先が変わることがあります。

ただし、一点だけ注意があります。

好きなゲームそのものを教材にする教室を選ぶ場合、そのゲームで遊ぶことに時間が向いてしまうことがあります。
教材が悪いのではなく、環境の組み合わせによって起きる現象です。

この点については プログラミング教室の選び方|体験レッスンで見るべきポイント で詳しく書いています。

④ 引っ込み思案で、質問できなさそうだから

これは、子どもの性格の問題ではなく、環境の問題です。

たしかに、プログラミングは分からなくなった瞬間に止まる学びなので、質問できるかどうかは大きく影響します。

ですが、質問しにくい理由は子ども側だけにあるわけではありません。

  • 聞きたいときに、先生にすぐ聞ける状態か
  • 「そんなことも分からないの」という空気がないか
  • 質問することが、歓迎されているか

環境が変われば、同じ子でも質問するようになります。
性格ではなく、教室の設計の話です。ここは体験レッスンで確認できる部分でもあります。

⑤ 飽きっぽいから

プログラミングは、作るものを自由に変えられます。

同じ教材をずっと繰り返す学びではないので、飽きたら別のものを作ればいい。
キャラクターを変えても、ジャンルを変えても、身につく考え方は同じです。

飽きの逃げ道が多いという点で、続けやすい部類だと思います。

もちろん、プログラミング自体に興味が続かないこともあります。
ただそれは「飽きっぽいから」ではなく、単に合わなかったということです。それは他の習い事でも同じです。

「正解を探す学び」に慣れた子は、最初だけ戸惑う

ここまで5つ見てきましたが、実際に最初つまずきやすいのは、これらとは別のところです。

同じ動きでも、作り方は何通りもある

プログラミングには、教科書に載っているような「正解」がありません。

たとえばキャラクターをジャンプさせる動き。
上に移動して下に戻すやり方もあれば、落下の仕組みを作り込むやり方もあります。
どちらも正解です。見た目が違うだけで、どちらでも動きます。

そして、この状況に戸惑う子がいます。

同じジャンプの動きでも、上に動かして下に戻す方法と落ちる仕組みを作り込む方法があり、どちらも正解であることを示した図

「どれが正しいんですか?」と聞きたくなる

学校の学習は、基本的に正解を見つける形式です。
答えが1つ決まっていて、そこにたどり着くことが求められます。

その形式に慣れているほど、「正解がない」と言われたときに手が止まります。
どれを選べばいいか分からないからです。

これは真面目に取り組んできた子ほど起きやすい現象で、むしろ学習に対する姿勢が身についている証拠でもあります。

戸惑いは、向き不向きではなく「慣れ」

そして、この戸惑いは長く続きません。

「正解は1つじゃなくていい」と分かった瞬間から、選ぶこと自体が楽しくなります。
自分で決めた方法で動いた、という体験が加わるからです。

最初に手が止まっていたことは、向いていない証拠ではありませんでした。
単に、これまでとルールの違う場所に来ただけです。

向き不向きより、環境が合っているか

ここまで書いてきたことをまとめると、こうなります。

問題になりやすいのは、子どもの資質ではなく環境のほうです。

  • 質問しやすい状態か
  • 難易度が、いまの本人に合っているか
  • 好きなものが教材の場合、そちらに逸れない設計か
  • 料金の仕組みが、その子の取り組み方に合っているか

このあたりの見方については プログラミング教室の選び方|体験レッスンで見るべきポイント で整理しています。「向いているか」で悩むより、環境の条件を確認するほうが、判断としては確実です。

それでも判断がつかないときは

最終的には、体験で実際に触っている様子を見るのが一番早いです。

見るポイントを1つだけ挙げるなら、指示を待たずに自分から触り始めるか。
ここが分かりやすいサインになります。

ただし、逆のサインが出ても「向いていない」ということにはなりません。

すぐに諦めて答えを聞いてくる子もいますし、触る前から「できない」と言う子もいます。
ですがその理由が「分からないから、つまらない」なのだとしたら——プログラミングは、調べれば確実に答えが出る分野です。しかも、そこまで時間のかかるものではありません。

つまり、もう少し粘っていれば、案外あっさり分かったはずのものが目の前にあったということです。

そういうお子さんにこそ、その経験を積んでほしいと考えています。
体験の場での様子は、参考にはなりますが、判定ではありません。

よくある質問

Q. 女の子でも大丈夫ですか?

まったく問題ありません。
プログラミングに性別による向き不向きはありません。
絵を描く、音を鳴らす、物語を作るといった方向にも進められるので、興味の入口は幅広くあります。

Q. 何歳からが向いていますか?

ひらがなが読めて、マウスやタッチ操作ができれば始められます。
ただし早く始めたほうが有利という学びではありません。本人が興味を持ったタイミングがいちばん伸びます。

Q. 人見知りでもオンラインで学べますか?

学べます。
むしろ画面越しのほうが話しやすいというお子さんもいます。
ただし、対面のほうが集中できるタイプの子もいるので、そこは体験で確かめてみてください。

Q. 一度やってみて合わなかったら、どうすればいいですか?

合わなかったのが「プログラミング」なのか「その教材や教室」なのかを分けて考えてみてください。
難しくて止まっているだけなら、環境を変えれば進むことがあります。
判断の材料は プログラミングは難しい?子どもがつまずくのは、具体的にどこなのか にまとめています。

Q. 親が理系でなくても大丈夫ですか?

大丈夫です。
保護者に必要なのは知識ではなく、続けられる環境を用意することです。
教えられないほうが、子どもは自分で考えるようになります。

まとめ

プログラミングに、向き不向きはほとんどありません。
始めるのに必要なのは、マウスやタッチ操作ができることと、ひらがなが読めることくらいです。

心配されやすい5つの点も、検証するとこうなります。

  1. 算数や理科が苦手 → 最初はほぼ関係なし。計算力を問われる学びではない
  2. 集中力が続かない → 結果がすぐ返ってくるので、むしろ相性が良い
  3. ゲームばかりしている → 入口になる。ただし教材選びには注意
  4. 引っ込み思案 → 子どもではなく、環境の問題
  5. 飽きっぽい → 作るものを変えられるので、逃げ道が多い

実際に最初つまずきやすいのは、「正解が1つじゃない」ことへの戸惑いです。
ですがこれも慣れの問題で、長くは続きません。

悩むなら、向いているかどうかより、環境が合っているかを確認してみてください。
そちらのほうが、判断としてずっと確実です。

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